園長先生からの質問 Q6

“保育に役立つ”園長のための保育園の人事労務講座
~よい労務管理はよい保育を生む土づくり~

4月1日から毎年1年間で、うちの保育園でも1年間変形労働時間制を採用する予定です。さっそく年間休日カレンダーを作ってみたいと思います。土曜日勤務のことも多いんですが、1年間の労働日数の限度や最低限必要な休日数があれば教えてください。

1、毎週1回の法定休日を守ればよい
2、週を平均して週休2日を確保する
3、特に決まりはない
4、労働日数260日以内/休日105日以上
5、労働日数280日以内/休日85日以上

答え(1つ)

答えの詳細

1日8時間、1週40時間の通常の勤務形態ですと、本来は週1日の法定休日だけでもいいんです。ただ、1年単位の変形労働時間制は最大1年間という長い期間で労働時間を繁閑によって柔軟に対応できる分、職員にとって負担になりすぎないように、1年間に一定の日数の休日を確保するよう決められています。それが休日85日以上(イコール労働日数は280日以内)です。例えば、毎週1日(日曜日)の法定休日と、隔週2日(土曜日)の所定休日に、祝祭日の休日を加えていくと、休日85日以上にはすぐなります。なお、日曜日及び土曜日の数は、365日÷7日=約52週ですから、基本的には日曜日52日+土曜日52日で計104日です。元日が日曜日か土曜日の場合などは計105日になります。「行政機関の休日に関する法律」では、年末年始の休日は、12月29日から翌年の1月3日までの6日です。「国民の祝日に関する法律(祝日法)」に規定する休日は、「国民の祝日」16日(2017年)の他に、いわゆる「振替休日」や「国民の休日」が発生することがあります。「国民の祝日」が日曜日に当たったときはいわゆる振替休日が発生しますが、「国民の祝日」が土曜日に当たっても振替休日は発生しないので、祝祭日は年によって違いが出ます。比較的ゆるやかな夏期期間に目標をもってしっかり休めるように夏期休暇やリフレッシュ休暇なども数日設定していくとよいと思います。そのあたりをふまえて、毎年の年度末までには毎月の休日数、労働日数、総労働時間数を設定していきましょう。

◆国民の祝日に関する法律(祝日法) 第3条
1.「国民の祝日」は、休日とする。
2.「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3.その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

 


保育士がいきいき働く、保育園が元気に動く仕組みづくりを支援している社会保険労務士・中小企業診断士の関山です。
専門はこれまでの保育業界での経験を活かした保育園の労務支援・運営支援と想い入れたっぷりの分野です。
珍しい経験から鎌倉・逗子・葉山地域の保育園さまを始め、全国の保育園さまからお問合せいただくことも増えてきました。

そこでここでは園長先生からの労務面やキャリアパスなどに関するご質問やご希望に応えて、
保育園や保育士に役立つ「保育園育て」「保育士育て」の各種ノウハウをお送りしていきます。
ぜひ日頃の保育園の運営や保育士の労務管理、人材育成、キャリアパスなどの参考にされてください。

 

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